ご来場された方で、「アレ?」と既視感を持たれた方もあるかもしれません。
新しい2ndの客席部材は、3月末に閉館された精華小劇場さんの部材を、縁あって引き継いだものです。
2004年の10月には、大阪で3つの劇場がほぼ同時にオープンしました。
●精華小劇場
●アリス零番舘-IST(後の-IST 零番館)
●インディペンデントシアター2nd
偶然ですがこんな事はめったにないし、3つの劇場は運営形態も雰囲気も異なっていたので、一緒に劇場についてを考えるシンポジウムに招かれたり、並んで新聞や雑誌の記事で紹介されたりしました。
何だか遠い昔のように思います。
ISTさんが、良くない形で閉館され、ついに精華小劇場さんも先日閉館されました。
一番不安定そうで、オープン時には疑問視された2ndが、低空飛行ながらも唯一生き延びる形となりました。
劇場は、それぞれ違ったコンセプトやポリシーを持ち、それぞれ異なるプロデューサーやスタッフの考え、営みを通じて世の中に作品を送り出しています。
ですから、簡単に「想いや意思を受け継ぐ」なんておこがましいことは言えません。そして、そんなつもりもありません。
ですが「演劇や舞台は人の心を豊かにする、だからそれを応援したい」と信じる想いは、きっと共通しているはずです。
ただその一点だけを受け継いで行けば良いと思っています。
インディペンデントシアターは、インディペンデントシアターでしかないのですから。
2ndをオープンする時の資料に「期待されていない存在が歴史を創る」とコピーを書きました。精華小劇場を意識してのことです。我ながら青かったなと思います。
関西外の他地域の劇団を積極的に紹介する方針のインディペンデントシアターは、精華小劇場とはライバルで、よく先を越されて地団太踏んだこともありました。
2ndは精華小劇場があったからこそ頑張って来れた部分もあるかもしれません。まぁ、勝手なこっちの想いですが…。
このテキストは、今も2ndの劇場紹介ページに残っています。良ければこの機会に読んでみて下さい。
1stには、一心寺シアターPART2。
2ndには扇町ミュージアムスクエア、近鉄小劇場、ウルトラマーケット、精華小劇場。これらから受け継いだ備品が残っており、ありがたく大事に使わせてもらっています。(どこか忘れて失礼してないかな…)
インディペンデントシアターは、インディペンデントシアターらしく、これからも行ける所まで頑張り続ける所存です。
なんだか、桜の季節のせいか、ちょっとセンチメンタルな気分でした。
インディペンデントシアター劇場プロデューサー:相内唯史