本来ならば今頃到着して仕込みに参加しているはずでした。
しかし、台風15号の発生で沖縄への進路が阻まれ、昨夕から鹿児島沖で停泊しています。
陸に上がる事ができれば、いくらか方法もあるのですが、予定にない寄港はできないようで洋上にポツンと浮かんでいます。
遠くに見える陸地の稜線がとても綺麗で、余計に無念な思いです。
僕とINDEPENDENT:SSSの機材車は初日までに沖縄に到着する事はできません。楽日に間に合うかも難しい状況です。
舞台設営のための部材一式と照明音響機材、そして出演者の小道具セットを満載した機材車が沖縄にたどり着かないため、完全な状態での上演は不可能になりました。
公演を中止するべきかどうかいつも以上に深く考えました。
クオリティーに自信ありとして全国ツアーを回って来た作品を不完全に上演して良いかどうか、同時に、会場毎に入れ代わるセレクションの座組と各地の参加作品で大切につないで来たバトンを、今ここで断ち切ってしまっていいのか…
無理に現地調達で新たな予算を使うよりも公演中止した方がリスクも少ない。
そもそも沖縄に台風が近づいています。予約は伸びていますが、台風が直撃すればお客さまが来場できないかもしれません。
僕の答えは、いつも変わりません。可能性があるならそれに向かって全力で挑みたい。しかし、今回、最も大変なのは作品を大幅に調整し直さなくてはならない出演者と、何よりそれを支えるスタッフたちです。彼らがやらないと言ったらそこまででした。
彼らは、それぞれ違う言葉で、どんな形であれやれるところまで頑張ってみようと言ってくれました。僕は幸せ者です。
今、スタッフたちが、慣れない土地で必要な資材、機材、道具を用意し何とか予定通りに公演を行おうと全力で頑張ってくれています。
出演者たちに状況を説明する電話をすると、みんな最後には「沖縄で待っています。」と言ってくれます。とても嬉しいです。泣きそうになります。電話を切る時の自分の声が震えていないか心配です。
頭とお金だけでなく、自ら体を張って現場に立ち作品の一線に関わるスタイルでプロデューサーを務めて来た自分にとって、今これまでで最も歯がゆく、悔しい思いをしています。
せめて体だけでも沖縄に行く事ができれば、もっとやれる事があるのに…
それでも公演が、作品がお客さまに届けば、僕は嬉しいし価値ある事だと思っています。
だから僕はこの鹿児島沖のフェリー上からやれる事をします。
台風15号ロウキー。お前の名前は一生忘れない。僕の道を阻んだことを必ず後悔させてやる!
INDEPENDENT 総合プロデューサー:相内唯史
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沖縄公演の上演に関して
公演は通常のスケジュール通りに行います。
ただし、本来の完全な状態の作品をお見せすることができないため、
料金を1500円(当日券は1800円)とさせていただきます。
前売り券をお求めのお客様は、受付にて差額をお支払いさせていただきます。
※前売・予約のお客様にプレゼントする予定でしたパンフレットも沖縄に届いてませんので、
ご希望のお客様には後日郵送させていただきます。
ご来場の際にお渡しする用紙に郵送先などをご記入ください。
なお、この件に関するお問い合わせは、090-3677-5825(担当カサハラ)までご連絡ください。
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