2012年06月30日

トライアルと本編

Twitterなどで、INDEPENDENTの本編とトライアルの区別についてご質問を頂いたので、良い機会ですからこの機会にご説明しておこうと思います。
今後、INDEPENDENTに参戦したいなと思う方は参考にして頂ければと思います。

まず大前提としてINDEPENDENTはお祭りであり、一人芝居の可能性を模索し、その多様性を楽しむ場です。勝ち負けや優劣を競う場ではありません。
本編の10組に関しては、年度を区切らず常にプロデュースチームが、ふさわしいと思える俳優・創り手を探し、出演交渉しています。中には何年も口説き続けている方もいれば、今が旬だと双方の想いで決まる方もいます。

イベントのクオリティとラインナップの多様性、そして興業としての成立を担保するために、本編10組はプロデュースチームの判断で決定しますが、自薦他薦も受け付けています。「出たいです」と直訴して下さる方もいれば、資料を作って売り込みをされる方もいます。
いずれにしても、本編組は、プロデュースチームが必ず作品(一人芝居に限らない)を生で観て、俳優あるいは作演出として自信を持って観客に推せる事が条件なので、関西圏外の創り手や公演の機会でこの条件を失っている場合もあります。

ですので、そういった動きの中で取りこぼしてしまう創り手との出逢いの機会として公募制のトライアルが機能しています。トライアルは全国オープンで誰でも挑戦することができます。

元々トライアルのスタートは、INDEPENDENTがイベントとして、また上演される作品の質として成長していく過程の中で、本編10組としては今は出せないけれども、可能性を期待して観客に紹介したい俳優や作演出(主に若手や一人芝居初挑戦者)を出すための枠だったので、オープニングアクトとして本編よりも下に設定されています。
現在では様々な方が応募してくれるようになって来た為、実力の上で本編の下であるとは必ずしも言えません。
また、平等な審査を実施するために限りなく「ガチ」な感じになっていますので、INDEPENDENTの中では、唯一ここには勝敗があると言えるかもしれません。
トライアルは観客審査で選ばれるため、観客が観たいと思う作品、期待するユニットを選ぶことができます。
ですが同時に観客が選ぶため、「楽しませたもの勝ち」な側面も否定できず、優れていても客受けの悪い作品というものは確実にあり、それらを後にプロデュースチームが拾い上げるという例もあります。

そして、11月本祭の上演時は、上演回数と上演順以外ではトライアルと本編のユニットに一切の区別はありません。
今年始まった地域版への招聘や5年に一度開催されるセレクションの選考でも扱いは一緒です。観客や各地域プロデューサーの心を動かす作品だったかどうか、一人芝居の可能性を押し広げられたかどうかだけが基準であり対等です。

ちなみに、トライアル枠は11月の本祭自体がプロデュースチームによる最終審査なので、これをクリアすると翌年以降に本編出演者としてINDEPENDENTに参戦することができます。複数回あるいは連続してINDEPENDENTに出演することはあまりありませんので、そういう意味では過酷な道だけれど、INDEPENDENTにより深く関わりたい、あるいはINDEPENDENTのサクセスストーリーとしてはトライアルからの本編が一番カッコいいと僕は感じています。

ですので、基本的に本編とトライアルは参戦するためのルートが違うだけと言って良いかと思います。

バンドのレコード会社(レーベル)へのアプローチの仕方に例えられるかと。
プロデューサーや発掘チームがライブハウスを足を使って回る網にかかるのを待つか、自らデモテープを持ち込みするか、定期開催されるオーディションを受けるか、の違いのような感じです。デビューが決まれば、後は結果だけが判断され経緯に区別はありません。

若手・ベテラン、有名無名、地域、表現スタイルを問わず、様々な俳優・創り手による、多種多様な一人芝居をなるべく高いクオリティでお客様に届けたい。そのために、いくつかの参戦決定ルートを作っているという事です。

いずれにしても現時点での事であり、INDEPENDENTは12年間常に変化してきましたから、今後どのように変わっていくかは未知数です。
現に今年トライアルの審査枠は倍増しましたし。

とにかく、お客様には面白い一人芝居との出逢いを期待して、楽しんで頂ければと思います!

INDEPENDENTだけでも160本以上、それ以外も含めれば250本近い一人芝居を観てきて、まだまだ一人芝居には一人だからこその無限の可能性があると僕は信じています。まだ見ぬ俳優や、創り手との出逢いを、僕も観客のみなさん同様楽しみにしているのです。
「INDEPENDENT」総合プロデューサー:相内唯史


posted by アイウチ at 21:33| 大阪 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | INDEPENDENT:12 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「INDEPENDENT:FUK」
http://www.fpap.jp/hitori/2012/index2012.htm
というのはどんな位置づけになるのでしょうか。
Posted by 薙野信喜 at 2012年06月30日 23:29
コメントありがとうございます。
昨年の全国ツアーを機に、今年からスタートした地域版INDEPENDENTの福岡(九州)版が「INDEPENDENT:FUK」です。全国オープンの大阪と違い、各地域を対象にしています。
ちなみにFUKは、九州9県と西中国3県が対象地域で、公募作品とプロデューサーが招聘する作品で構成されています。
FUK以外に、今年はSPR(札幌/対象地域:北海道)、TSU(津・三重/対象地域:東海4県)がスタートし、今後地域版は増やしていく可能性があります。
詳しくは、以下の記事もご参照ください。

http://i-theatre.seesaa.net/category/13093531-1.html
Posted by アイウチP at 2012年07月01日 10:43
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