なお、この公演の座組の中に感染リスクの高い方がいたと勘違いされている情報があるようですが、そのような事実はございません。演劇関係者・観客・出入りの運送屋など業者を含め、この1か月間に当劇場に出入りしたのべ千人以上の中の一人です。
公演中止の経緯と理由として「この1か月間に当劇場に出入りした方々の中に新型コロナウィルス感染のリスクが高い方がおり、PCR検査の結果を待っている」という事をご報告申し上げました。
その結果が出ました。
「陰性」でした。
この結果自体は大変喜ばしい事であり、本公演の中止を決定した直接的なリスクは回避することが出来ました。
しかしながら、これは自身のプライバシーのリスクを理解の上で情報公開に協力してくれた方がいたからこそであり、現在の劇場運営や主催団体の公演実施は、極めて危ういバランスの上に成り立っているということを強く実感する事態でした。
既に皆様ご理解のように、新型コロナウィルスは、感染力が強く感染しても無症状の場合があるなど、公演関係者・観客の皆様いずれに関しても既にリスクを抱えている状況と言わざる負えません。
危険なのは劇場やライブハウスなどだけではなく、公共交通機関や飲食店にも同様にリスクはあり、日常生活の中で感染がおこらないとは言えない状況です。
今回の公演は4チーム総勢80名以上と、座組の人数も大変多く、今回の直接的なリスクを回避したとしても、潜在的なリスクが大変大きく、またご来場されるお客様もトータルで600名を超える規模が想定されることから、現時点での公演の継続は極めて難しいという判断を取らざる負えませんでした。
苦渋の決断を取られた突劇金魚と座組の皆様には、敬意とお詫びそして感謝を申し上げます。
公演を楽しみにされていたお客様におかれましても、深くお詫び申し上げます。
当劇場としても、会場変更で公演の実施を実現しようとするカンパニーを何とか支援したいと考えて応援した結果、期待を持たせて突き落とすような事態となり、本当に残念で申し訳なく思います。
全ての演劇公演、あるいはライブパフォーマンスは、1度切りの事です。何ステージあろうと同じ瞬間は決してやってきません。だからこそ、その魅力に惹かれるのだし、劇場としてそれを守りたいと思うのです。
来週以降の当劇場の公演に関しましては、当劇場の当初の指針通り劇場の運営は継続いたします。
しかし今回の事態を踏まえまして、公演を実施できるかどうかのより厳しいチェックルールを設け、それを確認できた場合には公演を開催いたします。加えてご来場頂くお客様にもお守りいただくルールの厳重化を実施し、劇場での感染を可能な限り避ける事ができる対策を取ります。
ご利用者にも、お客様にもご不便をかけますが、演劇や表現活動、そしてライブハウスや劇場が社会の悪者ではなく、必要なものであると、これまで以上に多くの方に分かっていただけるように、ご理解ご協力をお願いいたします。
インディペンデントシアター劇場プロデューサー 相内唯史