※緊急事態宣言の延長を受け、休館期限を延長いたしました。(5/7発表)
休館期限:
2020年4月18日(土)〜
運営状況:
●期間中、劇場施設は閉鎖、劇場へのお問い合わせ等、制作業務は基本在宅勤務化いたします。
●お電話ではなく公式メールアドレスにて対応させて頂きます。
●スタッフは週数日、必要に応じて出勤します。
ただし、今後の緊急事態宣言の延長等や大阪府市の感染状況により独自判断で延長する可能性もございます。
また、緊急事態宣言発令前後から、4月のプログラムはほぼ全て延期となっていた為、4/4(土)からは実質休館状態でした。
インディペンデントシアターは、今回の新型コロナウィルスの感染状況下でも、基本的に劇場を閉めない方針をこれまで貫いて来ました。
劇場は演劇人をはじめとする表現者にとってのホームであり、同時に最後の砦であるというのが我々の信念です。上演が無くとも稽古をはじめ、表現者が集まり交流できる場も必要です。
その砦の扉を閉ざす時には、本当に他に取るべき方法が無い時、必要な時でなくてはならないと考えています。
残念ながら、その時が来てしまいました。
今は、創り手・観客に区別なく、それぞれの健康や安全を最優先し、身近な人や家族、さらには遠くの知り合いの事にも思いを寄せて、今を生き抜くことに注力しなくてはならない状況であると思います。
インディペンデントシアターにとって、一時的とはいえ休館の判断は、自らのポリシーに背くことであり、苦渋の決断です。
しかし今はそれが必要と感じています。
インディペンデントシアターがスタートして10年までの間は、1か月にプログラムが一つもないという事も、まだまだありました。純粋な収入不足から閉館のピンチに見舞われたことも、片手では足りません。
ありがたいことに、今は大阪を代表する劇場の一つとして関西圏だけでなく、日本中の多くの創り手と観客のみなさまに支えて頂いている事は感謝してもしきれません。
劇場が何も動いていないときも、インディペンデントシアターは劇場でした。劇場の旗を掲げ、創り手とやがてそこで産まれる作品の為に扉を開け続けてきました。
今、インディペンデントシアターは扉をひと時閉じます。しかし劇場であることに変わりはありません。依然劇場の旗は掲げられ、この危機を乗り切った時に、創り手と観客が足を運べるようにこの場所を守り抜く所存です。
建物としては閉館していても、いつでも創り手と観客に気持ちは開いています。
劇場休館中でも、当劇場での公演に限らず、何でも相談して下さい。(平常時でもそうでした、地域から当劇場に相談にきて、他の劇場を紹介した劇団や作品の何と多い事ww その作品にふさわしい劇場で上演されるのが一番というのが当劇場のもう一つのポリシーです。そしてこれは絶対にウチという作品は決して逃しません!)
劇場には個人や劇団以上に情報やノウハウが集まってきます。何かアドバイスできることがあるかもしれません。
自粛で家にこもらねばならず、不安やストレスに悩まされている事の相談や愚痴でも結構です。(とは言いつつ、相談殺到したら対応しきれないかもです。ごめんなさいww)
インディペンデントシアターは、
その扉をくぐれなくても、いつでもあなたのそばに居ます。
今、笑顔で劇場の客席でお会い出来ないのは寂しいですが、
その日は必ずやってきます!
大事なご報告はこちらまで、以下、話は少々脱線気味かもしれませんが、もう少し書きます。
インディペンデントシアターが、マジピンチで、本当に3か月後には消滅するかもしれない、という事態がかつてありました。(この話は、2018年末に初代1st最終イベントの中で少し触れています。)
その時、「劇場」という「建物」を失っても、「劇場」として存続し続ける事は出来ないのか?と考えたことがありました。言わば「劇場を持たない劇場」。
「最強の一人芝居フェス=INDEPENDENT」をはじめとする劇場プロデュース作品の製作や火曜日のゲキジョウなどの平日公演、クリエイティブボックスプランなどのカンパニー支援策など、空間以外の劇場の機能を積極的に推進してきたインディペンデントシアターとしては、それらが存続すればハコ=建物に固執する必要は無いのでは無いか?と考えたのです。そうして考えながら世界の演劇を見渡した時、既に先例がありました。
「ナショナル・シアター・オブ・スコットランド(NTS)」
まさに劇場を持たない国立劇場。
興味のある方はコチラ→https://www.nntt.jac.go.jp/centre/library/theatre_w/12.html
僕は、観たこともないその存在に大変励まされ(のちに2015年、佐々木蔵之介「マクベス(NTS版)」にて、NTSの作品に触れる事になるのは、また別のお話…。)、仮に建物としての劇場を失う事になっても、インディペンデントシアターが培って来たコンテンツが生き延びれば劇場は死なないと強く信じる事ができ、だからこそ、建物としての劇場を失わない為に必死になって、何とかここまで生き延びてくることができたのです。
劇場の冠企画である「INDEPENDENT」を劇場運営から独立させたのも、この劇場を持たない劇場への布石の一つでした。そして「INDEPENDENT」はまさに、劇場を持たない劇場のように、日本中、これからは世界中の空間(さらにはオンライン上までも→IN:1/5)を一人芝居のステージに変えていくのです。
劇場一時閉館の話から、建物を持たない劇場の話まで飛躍しすぎと我ながら思いますが、インディペンデントシアターにとって、この一時閉館は冷静でいられないほど重大な事態であるという事だけご理解頂き、お許し頂ければ幸いです。
また、劇場でお会いいたしましょう。
インディペンデントシアター劇場プロデューサー:相内唯史