2021年04月19日
新2ndについて[3]
日々工事現場ではこまごまありますが、新2ndの建設工事は全体としては順調に進行しています。前回から随分空いてしまいましたが、やっと追加の情報(今回出す部分はほぼ確定版)を出せる状態になりましたので、ご報告いたします。
※ちなみに上の画像が新2ndの新しい公式ロゴです。新1stと同じく二代目を示す2G=2ndGenerationが追加されました。
●新2nd:21年6月完成、21年7月稼働開始
●新2nd杮落しシリーズ:21年7月〜10月開催
当初予定よりも少し遅れていますが、建設工事は順調に進行しているので、6月には完成。オープンに向けての準備や各種行政の検査を経て7月より稼働を開始いたします。
開催を検討しながらも、劇場のオープン日がなかなか正式に決定できなかった為に、実施が危ぶまれていた「新2nd杮落しシリーズ」ですが、新2ndのオープンを見越して劇場利用希望を入れて下さっていたラインナップが、とてもインディペンデントシアターらしくステキなので(1stや2ndでご縁の深いカンパニーや実績の優れたカンパニーが自然と集まってくれました)、実施を決定いたしました。
「新2nd杮落しシリーズ」7月〜10月(調整中)
・最強の一人芝居フェスティバル
「INDEPENDENT:4SS / JAPAN TOUR」大阪
7月15日(木)〜19日(月)
・8月:1カンパニー
・9月:3カンパニー
・10月:3カンパニー
スタートは、劇場の看板企画でもある、最強の一人芝居フェスの5年に一度の全国ツアー「INDEPENDENT:4thSeasonSelection / JAPAN TOUR」大阪公演。その後、8月から続々と公演をお届けいたします。各カンパニーの情報解禁のタイミングなどもあるため、参加カンパニー発表はもう少しお待ち下さい。期待を裏切らないラインナップです!
[劇場の構造について]
続いて、建物の基本的な構造をフロアごとにざっくりご紹介。施工中で内寸の正確な採寸がまだできない為、寸法は入れていません。(設計寸法から施工でズレも発生するので)
基本的には、全ての空間が、少しずつ旧2ndよりも広く余裕のある作りになっています。
1Fはカフェと搬入スペースがメインです。カフェと劇場への入り口は分かれているので導線がバッティングしません。搬入路は荷物溜め場とEVが利用できる屋内ルートと、長物などEVに入らないものは、屋外階段をリレーして劇場まで上げるルートの2つが利用できます。
車イスや足の不自由なお客様は、制作スタッフの案内があれば外階段横からEVホールを経由してEVでロビーや劇場にお入り頂けます。
2Fは劇場ロビーと楽屋区画です。ロビーは旧2ndよりもかなり広くなり、コロナ禍でソーシャルディスタンスも取りやすい環境です。また道路側が全面窓になっているので開放感のある空間になりそうです。
トイレも数が増え、身障者の方が使いやすい専用の多目的トイレもあります。
楽屋は3室で、そのうち2室は間仕切りで分ける形なので、広く使いたい場合は間仕切りを開けて大部屋にできます。廊下の広いスペースを仮設楽屋にしたり、衣装や小道具スペースにしたり、工夫して使えると思います。楽屋トイレ・洗面台・キッチンなど水場を廊下に集めているのも使い勝手良いと思います。
そして、階段で舞台下手袖に上がる形です。
3Fが劇場。基本的にはロビーから下手の階段で客席に入る形ですが、制作スタッフの誘導があればEVで上手から客席に入る事も可能です。
客席は間口5間1列14席のロールバック式です。仕込みの時には収納して広い作業スペースを確保する事も可能です。また収納して横使いすると新2ndよりもはるかに広い劇場の実寸稽古(だいたい間口9間×奥行5間)や、2面舞台などの特殊な仕込みも可能です!
舞台は旧2ndと同じく基本はフルフラットなので、平台と箱馬で必要な広さ・高さに自由に仕込めます。広さは旧2ndよりも間口が1間ほど広くなり、標準的な使い方では、有効アクティングは間口約5間×奥行約4間になるかと思います。
客席数は、舞台の広さや、この後に説明するギャラリーの使い方などで増減しますが、基本的には130席程度になります。(コロナ禍の間は減席予定)
3.5Fに該当するのが、ギャラリー部分。客席を出した時の再後列と繋がる部分です。通常はこちらに音響照明の操作ブースを設置すると共に増席用の客席として使用します。ギャラリー部分の手摺にも照明機材などを仕込む事が可能です(回路もあります!)。
ギャラリーは客席と直接干渉しないので、撮影用のカメラスペースにしたり、映像配信のブースを組んだり、工夫次第でかなり有効に使えると思います。
また開演後の遅れてのご入場は、屋外階段を経由してこのギャラリー側面から客席最後部にご案内が可能です。
4Fはキャットウォークです。3.5Fのギャラリーから階段であがります。照明や舞台吊り物用のバトン、そこに作業するためのキャットウォークのスペースです。機材庫部分に、照明ユニットや音響アンプ、機材などが収容されます。窓があるので、舞台は覗けますが、バトンやキャットでおそらく見ずらいので、音響や照明のオペレートには向かず、逆に区画されているので映像の配信ブースはこちらに設置するのがベストかもしれません。
キャットは、エアコンや換気扇の配管などで下がっている部分を除いては、快適に立って移動できる高さを確保しています。
基本のバトンはキャットの手摺と床の間の高さになり、作業しやすいと思います。キャット下にもバトンがあり、そちらが一番低いバトンになります。そこまでがおおよそ5〜5.5m(舞台側と客席側で高さが違う)になるかと思います。旧2ndより平均して1.5mほどタッパが高くなりました!
回路は舞台側を中心に旧2ndから移植したコンセントBOXを配置します。新1st同様に、LED系機材のために平行のコンセントやDMX回線も既設するのでかなり使い勝手が向上すると思います。
5Fは劇場備品の倉庫と弊社別部門(イベント製作部)の事務所となります。平台や箱馬などの大きな備品は基本この備品庫に収納し、台車ごとEVに載せて劇場に下ろします。上手にスペースをやりくりして、稽古にも使えたらと考えています。
[EVについて]
舞台監督さんや舞台美術さんは搬入エレベーターのサイズがとても気になると思います。先日初期検査があって仮使用できるようになりました。
カゴの内寸は以下の通り。
幅1450mm×奥行2800mm×高さ2500mm
EV出口開口サイズは幅1200mm×高さ2100mm
芸術創造館さんのEVを一回り小さくした感じとイメージして頂ければ正解です。平台などが台車に乗ったまま、そんなに苦しくなく積めるサイズです。スペック的には1950kg定員30名となります。
[機材について]
音響や照明の機材は基本旧2ndから引き継ぎますが、音響に関してはメインスピーカーなど一部を増強します。照明に関しては、タッパが高くなったので、数量は限られますが、1KW機材を追加で導入しシーリングや地灯りに使えるようにし、照明主幹の容量も300Aに増強いたします。
また音響アンプや照明ユニットのあるキャットの機材庫と通常時操作ブースを設置するギャラリーの間には音響マルチ回線やDMXを既設するので回線の引き回しなどは、ほぼ必要ないかと思います。さらに、劇場内の音声と映像(エアモニ)は楽屋とロビーに配線しているので直ぐにご確認頂けます。さらには、ロビーにも1回線だけDMXが行っています。(おそらくINDEPENDENT以外では使わないと思いますがww)
[劇場使用料について]
ここまでご紹介してきたように、旧2ndから大幅にパワーアップした新2ndですが、使用料金は変わらず据え置きでスタートいたします。それどころか長い日程をお使い頂けば頂くほど割引になるプランを導入します。具体的には後日正式発表となりますが、6日間以上の連続利用から5%の割引が発生し最大で10%まで利用日数に応じて割引します。
少しでも多くのお客様に劇場にお越しいただきたいという想いと同時に、大阪で成長過程のカンパニーが利用する劇場が減ってしまっている現状の中で、新2ndで作品や技術を磨いてより上のステップに上がっていく場を提供したいと考えています。
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さて、今回は劇場の完成も見えてきてかなりの情報を公開させて頂きました。
旧2ndは、限られた空間・資金・設備の中で工夫を重ねて運営してきました。しかし工夫だけではどうにもならない事もあり、他のたくさんの劇場さんを羨ましく思う事ばかりでした。
一人芝居フェス「INDEPENDENT」の公演や他地域から来阪してくれるカンパニーの作品を観るためなどで、日本中の劇場を観たり使ったりしてきました。そうして良いなと思った部分や、ステキな工夫、羨ましいと思う部分を沢山盗んで、今回の設計で可能な限り詰め込みました。
もちろん上を見れば限りはありません。
ですが確信をもって言う事が出来ます。
「これでもう、近い規模の他劇場を羨ましいと思うことは無い!」
これが、新2ndの一つの答です。
ご期待を裏切らない劇場がまもなく誕生します。
コロナ禍の厳しい状況の船出にはなりますが、是非楽しみにお待ち下さい。
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