第3回
そろそろ御馴染みの劇団ころがる石の森下です。
気付けば早、今週本番ですね。「気付けば」という言い回しを人間はしばしば使いますが、何でこういう現象が起きるんでしょうね。人間にはそもそもカレンダー機能が備わっていないのでしょうか。それとも単に大抵の人がウッカリしているだけなんでしょうかね。機を見るに敏な織田信長や村上ファンドの人には「気付けばもう一週間かぁ」なんてことはないのかもしれません。
本番が近いとはいえ、所詮私は舞台に立たないので言うても気分はお気楽です。以前出演戴いたKさんは控え室で今にも泣き怒りしそうでしたし、今回の岩名君も心中いかばかりか。せいぜい私が緊張するといえば、制作の人に小屋の階段で呼び止められて「パーカーの代金まだ戴いてませんけど」と督促されるときか、音響オペを兼ねているので、たまの切っ掛けを逃さないようにするときか、くらいなもんです。大体私、音響オペといっても毎回担当の森尾さんに「どうやって音出すんでしたっけ?」と根本から問う見事なまでの素人っぷりですし、親切な森尾さんは私がちゃんとやれるか隣でじっと見守っててくれるので、まるで書道やピアノ演奏のシーンで手だけやってくれるスタントの人状態です。
ところが今回は、音響はないしパーカーも購入していないので、緊張する瞬間がありません。そう!今回はちゃんとした人にお願いした、のではなく、音響オペ自体が存在しないのです。音は全て私が口三味線。違いますよ。それだと2人芝居になりかねませんからね、大いにNGです。音が鳴らないのです。凄いですね。全ては岩名君に丸投げです。あ、照明はつきますよ。照明つかないと、見えませんからね。
第4回
ご存知森下です。あそうそう、劇団ころがる右の。右じゃないです。石ですよ。突き出さないように。
我らの稽古もいよいよ大詰めです。概ね出来上がったような状態で、後は意気揚揚とジャングルに乗り込むだけかという状態です。これはこれは余裕ですか。はい余裕です。その証拠に本番期間中は我らの劇団の12月公演の稽古がバリバリ入ってます。はいそうです。違う意味で切迫してます。
今回の公演について、どういう内容か紹介したいのですが、一旦紹介しだすと浜村さんみたいにストーリー全部喋ってしまいそうなので、これまでの我々の参加作品について振り返ることで、作品の傾向と対策をイメージしてみてください。
「カントク」。甲子園をかけた大事な決勝戦で猛烈な下痢に襲われ、試合中にトイレに引き込まざるを得なくなった野球部監督の話です。舞台上に便器が一個という最低な舞台美術でした。トイレから指示を出しながらそれこそフン闘する監督ですが、ラストで敵チームの打ったホームランがトイレに飛び込んできます。ソデに待機してた人間が舞台上にボールを投げ込むのですが、若干反則行為の臭いが漂いました。前にも言ったように、このときの私の役目は単なる便器運びでした。
「ニュースな女」。“卒業”前の最後のニュース番組に出演する女子アナ。折角最後の仕事なのに、ビデオはないわ、ゲストは遅刻するわ、事件は飛び込むわで全然予定通りに進行せずにアタフタするという前回とは打って変わってオーソドックスなドタバタコメディです。最初は結構普通に始まり次第に女子アナがドンドン壊れていくという構成なのですが、始まりが普通なだけに「コメディかどうかわかるまでに時間がかかった」と言われる結果に。インデペンデントには色んな毛色の作品が参加するだけに、最初が肝心なのだと勉強させられた公演でした。
「2時間サスペンス10時30分から」。というわけで出落ちにしました。明転すると役者とマネキン。1人芝居というコンセプトにあって、ぶっちゃけアウトなイリーガルな作品となりました。帰宅して電気をつけるたびにマネキンに驚かされるという毎日でした。テレビのサスペンスドラマの残り30分の解決篇から見始めた、という設定で、そのくせ150人くらいの超連続殺人事件&島田荘司もビックリの驚愕トリックのオンパレードというミステリファンには一粒で150倍おいしい内容です。ドラマの撮影ですよという意味をこめて、舞台上にとても不細工なテレビカメラの紙工作を置いたのですが、初日からぶっ壊れて舞台監督の人に直して貰いました。
さて!今回の「何だか最近体が重いです」。どんなルール違反が待っているのか?!いや見所はそこじゃありませんよ。人間色々やると原点に帰るものですが、原点て何なんでしょうか。私もそれを確認しに行きたいと思います。では、25日から27日まで、我らとともに歩もうぞ。
2005年11月22日
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